給与計算業務に付随する事務作業
「給与計算業務に付随する事務作業」と言われても、経営者でその実務を経験した人は少なく、実際の作業内容を理解している経営者は極めて少ないと思われます。
実際は必ず答えが出るシンプルな事務作業のため、誰でもできる業務ですが、簡単に覚えることができない分野であることも事実です。
例えば、
◆社員、パート社員の入社・退職に関するハローワークや年金事務所等への届出や情報共有
◆月中の採用・退職または休暇中に入る社員、また休暇から復帰する社員の日割り計算
◆人事異動による賃金の昇給・降給等の作業
◆毎年6月の住民税(地方税)の給与データへの反映
◆毎年7月の社会保険定時改定(算定基礎業務)による給与データへの反映
◆毎月の固定的な賃金変動による社会保険月額変更計算(随時改訂)
◆毎年6月の前年度労働保険(雇用保険・労災保険)の更新業務に関する前年度の賃金整理
◆雇用保険部分の賃金と労災保険部分の賃金の算定作業
◆年末調整計算業務
◆年次有給休暇の時給者・月給者の計算業務
◆年次有給休暇の賃金台帳への反映業務
◆営業職報奨金等の社会保険算定賃金かどうかの判断業務
◆入社時には決定できない各種賃金手当部分のその後の社会保険算入への判断業務
上記の他にも、多くの給与計算業務に付随する事務作業がございます。
これらの作業が1人で出来るようになるには、優秀な社員さんでも最低3年、通常は5年以上の経験が必要となります。
故に、給与計算業務の担当者は、「仕事の属人化」の代表的な例であると考えます。
会社組織の中で「仕事の属人化」は、組織全体の成長をストップします。
3年単位または社員の平均年齢が30代の組織は問題ないのですが、人間は40代まで同じ仕事をしていると、
それ以上は「安定志向」の脳機能が顕著に表面化してきます。
結果配置転換できない状況が生まれてしまうのです。
水面下で組織の成長がダウンしていることに気が付かないという状況は避けるべきであると考えます。
今月のテーマは、「給与計算業務に付随する事務作業」でした。