デジタル化による社員増、本末転倒
昨今、日本中で「デジタル化」の波が怒涛のように押し寄せています。
「デジタル化」は、生産性向上のために行われることで、「デジタル化」のために、社内人件費を使うことは、本末転倒です。
具体的には、総務経理部門・営業事務部門・IT部門などの部門人員を増やすことが挙げられます。
企業経営の中で、粗利益を100%とすれば、それは利益分配・経費分配・労働分配の3つで構成されています。
そのバランスを取るのが利益計画です。
企業ですから、当然に利益分配が最優先されます。
経費分配も、コスト削減には限界があります。
そのため、労働分配が利益計画にとって重要な位置づけとなるのです。
粗利益を100%として、総額人件費がどれくらいの比率を占めるかを労働分配率といいますが、
優良企業の特徴として、この労働分配率が「毎年ある一定の比率」または「若干下がる」という傾向があります。
「デジタル化」を担当している部署(人員)が存在しているとしたら、その部署(人員)は、未来永劫に「デジタル化」を担当されるのでしょうか?
「デジタル化」は、生産性向上が目的で、「デジタル化」が目的ではありません。
結論は、既存の営業職・事務職の人員の中で、「デジタル化」を進めること。
それが無理ならば「デジタル化」を担当された方は、営業職を兼務するのが通常の人員配置であると考えます。
そうでないと人時生産性は下がり、労働分配率が上がる経営状況を生み出します。
現在日本において、既に事務職の人余り現象が始まっています。
現場職は人手不足、事務職は人余り現象、この状態はこれからも続きます。
事務職を最小人数にして、現場職に配置転換をしないと、企業は粗利益を稼ぐことはできません。
粗利益を稼げない企業はいずれ消えていきます。
10月1日 水谷英二の経営者に一言
今月のテーマは、「デジタル化による社員増、本末転倒」でした。