理念は絶対指標、利益は相対指標
経営理念とは、会社の存在意義や会社の方向性を言語化したものです。
これは、企業経営としては絶対的なもので、経営理念がぶれると企業経営も成り立たなくなります。
それに対して、利益は相対的な指標で、売上高営業利益率や売上高粗利益率、常にパーセント%で表現するのが一般的です。
中小企業経営者の中には、この利益率を利益額で考える方が多いです。
今年は、2000万円くらいの経常利益が出るとか出ないとか?
顧問税理士の方も、2000万円も経常利益が出れば、1000万円も法人税を払えば大した企業ですよ・・・
なんて発言されている税理士も世間では多いのではないでしょうか。
経常利益2000万円を出されるという経営者に、売上を質問すると、
今期の予測は売上高4億円だと言われました。
経常利益2000万円、売上高4億円ということは、売上対経常利益率は5%ということになります。
経常利益2000万円という指標は、あくまでも2000万円という「絶対数値」です。
それに対して経常利益率5%という数値は、売上に対する「相対数値」です。
パナソニックの創業者松下幸之助翁は、「経営理念が本物であれば、経常利益は10%出る」と言われています。
売上1億円ならば1000万円、売上4億円ならば、4000万円の経常利益です。
売上の大小は、企業評価には関係ありません。
企業評価は「利益率」です。
利益率が高い内容の経営ならば、必ず生き残れます。
目の前の今年だけの「利益額」で経営を考える会社は、成長がないということを、経営者ご自身が自分で断言しているということです。
令和7年4月1日 水谷英二の経営者に一言
今月のテーマは、「理念は絶対指標、利益は相対指標」でした。